弁護士という職業の存在自体は広く認識されているにもかかわらず、個人が実際に利用することは稀である。
弁護士の関与が望ましいはずの契約交渉、民事紛争処理等においても、可能な限り法的色彩を持たせずに、当事者間の話合い等により解決することが望ましいという風潮が強い。
裁判等の法的手段に訴えることが紛争処理の最後の手段として考えられていることと併せ、弁護士の関与もその最後の手段の一部としての認識が根強い。
利用しやすさ故の問題
2008 年 10 月 3 日弁護士の偏在
2008 年 10 月 3 日2006年12月1日時点での日本における弁護士数(弁護士会登録数合計)は、23,103名(うち女性3,138名)であるが、大都市への偏在が指摘されている。
東京(東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会)に登録している弁護士数が約11,000名、大阪弁護士会に登録している弁護士数が約3,000名となっており、両者を併せると全国の弁護士数の60%を超えることになる。
代理権の付与拡大
2008 年 10 月 3 日訴訟代理は、従来、弁護士の独占業務であり、弁護士資格を有しない者にはできないものとされており、弁護士へのアクセスの難しい地方や少額の事件については、当事者は、弁護士を立てずに行う本人訴訟を余儀なくされていた。
このような状況を改善するため、司法制度改革の一環として、弁護士以外の特定の法律専門資格の保持者(司法書士)にその関係分野や一定の金額までの紛争に限定して訴訟代理権を与えることや、隣接法律職に法廷以外での紛争解決制度(ADR)を設ける動きが広がっている。
弁護士の収入
2008 年 9 月 3 日個人や会社から収入を得る業務の他に、裁判所に選任され裁判所が報酬を決定する業務や日本司法支援センター(法テラス)との契約により報酬が支払われる業務などがある(刑事被疑者・被告人の国選弁護人業務、破産管財人業務、相続財産管理人業務など)。
日弁連の2000 年の調査によると、弁護士の所得は平均1,701万円(粗収入から必要経費を差し引いた額)。
もっとも、平均値は一部の高額所得者に引っ張られているので、中央値によれば、平均所得は1300万円となる。
更に言うならば、500万円未満、1,000万円未満が4割を占めている(裁判官、検察官の定年退職者の多くが弁護士登録をしていることに注意。
これらの弁護士の多くは高齢で本格的に弁護士として稼動しているケースは少ないと思われる。)。
厚生年金や福利厚生がないことを考えると、それらによって得られる利益を差し引くと、実質的な収入はさらに下がる。
したがって、実労働時間の長さ、ミスを犯したとき多額の損害賠償請求を受けることも考えると、ハイリスク・ローリターンの職業だともいえる(『日本の法律事務所2000―弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査報告書』自由と正義53巻13号)。
粗収入だけで弁護士の収入が示される傾向があるため、平均収入が3,000万円近くと思われがちだが、弁護士会費等の負担、
事務員に対する給料、事務所管理費等々で月100万円以上かかるのが通常であり、それらの必要経費を差し引くと、平均収入は1,700万円程度となる。